受け継がれる想い
伊藤正次から受け継がれる想い。想いをひも解くインタビュー。
伊藤正次演劇研究所の所長であった、伊藤正次は、演劇研究所としての授業記録を映像などで表立って残すことをしませんでした。
そして、「演劇をつくることは、人をつくることだ」と、
頑ななまでに、その姿勢を貫きました。文字通り、命を懸けながら、研究生ひとりひとりの命のなかに、すべてを刻み込んだのです。記録よりもずっと残るものを。
授業は、ときに食事も忘れて何時間もぶっ通しで続いたこともありました。
それでも、研究生の誰一人として、授業から離れることはなかったといいます。
それは、同じ時間と空間を共有した者にしか分からない永遠のパトス(pathos)なのかもしれません。